看護師が足りない!

現在、看護業界で問題となっているのが看護師不足の問題です。看護師の数は全国で100万人以上とされていますが、実際には多くの病院で看護師が足りていない状況にあります。特に2006年に始まった「7対1看護」の制度が導入されて以来、各病院ではそれまでよりも多くの看護師を必要とするようになりました。それ以前は一人の看護師が10人以上の患者に対応するのが主流でしたが、この制度以降では一人の看護師は7人の患者を担当することが必須となったのです。このために、看護師が条件のよい都会の病院へ流出して地方の病院は人材不足に陥っています。しかしその都会の病院でも夜勤など厳しい労働条件のために退職する看護師が多く、しかも都会には転職先となる職場も多いことから看護師が一カ所に安定しにくいという状況となっています。
また、看護師の資格を持っていながら看護師としては働いていない「潜在看護師」も相当数に登ると見られています。潜在看護師とは一旦看護師として働いていたものの、何らかの理由で退職したまま復職しない元看護師などを指します。看護師の仕事は一度離れてしまうと復職しにくい職場ですが、実際にはその約36%が看護師として復職したいと考えており、厚生労働省では現在、様々な制度の導入などでこういった潜在看護師の復職を支援し看護師不足に対応しようとしています。そのおかげか、近年では復職する看護師の数も増えつつあります。
実際、厚生労働省が発表した都道府県別の看護師の求人状況を見ても求人数に対して求職者数が上回っている所はほとんどない状況です。多いところでは東京都の求人数約18000件に対して求職者約8000人、愛知県の求人数約10000人に対して求職者約2000など、都市部で看護師不足が目立っています。都会ほどの差はないにしろ地方でも求人数に対しての求職者は少なく全国的な看護師不足は深刻であることがわかります。
看護師不足と同時に問題になっているのが離職率の高さです。日本看護協会が発表した2011年度の常勤職員の離職率は10.9%となっています。飲食業などの一般的なサービス業では軒並み20%台を記録しているのに比べればさほど離職率が高いとは言えないように思えます。しかし実際の現場では「新人が次々と辞めていく」「いつも人が足りない」といった声を聞くことも多く、あくまで「表向きの数字」といった所かもしれません。

ちなみに、看護師の退職理由は様々ですが、平成22年度の調査では次のような結果が出ています。

<看護職院の主な退職理由>

出産、育児のため 22.1%
結婚のため 17.7%
他施設への興味 15.1%

(出典:平成22年度 厚生労働省による調査結果)

やはり女性が大半を占める職業だけあって「出産、育児」「結婚」といった理由が主になっています。しかし「他施設への興味」という理由も続いており、転職のために離職することが多いのも見て取れます。これ以外にも「人間関係がよくないため」「超過勤務が多いため」「休暇が取れない、取りづらいため」といった理由も10%を越えていて目立っています。その中で「看護師に向いていないため」という理由もありますがこれは約2%程度のごくわずかな数字です。これを見ると看護師として勤務している人のほとんどが看護師には向いていると感じているのに現実には家庭の事情や職場環境を理由に退職していることが分かります。

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